女性の化粧がマナーなのは誰のせい?【脱メイク論争】

女性の化粧がマナーなのは誰のせい?【脱メイク論争】

 

SNSでの共感ポルノが国民の日常となった昨今、特にTwitter上でしばしば

 

  • なぜ私たちは化粧をしなくてはならないんだ
  • 化粧がマナーなのはおかしい
  • 化粧しない自由を認めろ
  • 化粧ボイコットやるわよ!
  • 男社会が化粧を強制している
  • 男のためにやってるんじゃない

 

こうした言説が共感を集めています。俗に言うバズりも多い。

 

それでですね、他はどうでもいいんですが『男社会が化粧を強制している&男のためにやってるんじゃない』とか仰っているのを見ると

 

huh?

 

 

以外の表情を失ってしまう。OMG.

 

でもなんでそんな結論に行きつくのかは分かります。

 

なぜなら、化粧を男に強いられていることにすれば、真因の指摘で生じるであろう内ゲバコンフリクトは避けられ、またガス抜きスケーブゴートのおっさん差別と同様、異性にヘイトを集めることで女性内の共感バズを呼び込むことができるからです。

 

世間でよく言われるように、女性にとって重要視されるのは共感です。

 

狩猟時代の形式上、女性はコミュニティ内で円滑な関係を築く必要があったため、彼女らには共感および協調を是とする遺伝子がインストールされており、そして共感能力に乏しい女性は孤立し、援助を絶たれ、生き残れず淘汰されてきました。

 

つまり、表立って他の同性を敵に回す女性というのは、極めて社会不適合な個体なわけで、これは男性で言うところの社会競争に参加せず淘汰される個体ですね。

 

ともかく、化粧の実際は内ゲバであるにもかかわらず、軋轢を避けるべく男性のせいにします。他でもない遺伝子がそう仕向けさせるのでしょう。

 

男性が豊満な乳房を自然に好むのと同じように、また渡り鳥が理由も知らず海を渡るのと同じように、これは理屈ではなく本能的な話です。

 

 

化粧はしなければならないのか

『働きたくないないなら別に働かなくていいと思いますよ。別にそれで死ぬわけではないので』

 

と平然と述べる西村博之氏なら

 

『化粧したくないなら別にしなければいいと思いますよ。別にそれで死ぬわけではないので、ヘッヘッヘッw』

 

と楽しそうに言うでしょうね。

 

まったくその通りで、別に化粧したくなければしなければいいじゃないですか。憲法や法律や条例に ≪女性は化粧をしなければならない≫ とする文言は一切ありません。ましてやローカルルールや就業規則にもありません。

 

労働が憲法に記された義務であるにもかかわらず、今現在の日本で労働可能な無職(NEET)が許されているのですから、誰も強いていない化粧なんてしなければいいと思います。すっぴんはお金も時間も浮いてエコで良いですね。

 

ただ、無職がその地位に甘んじて困窮していくのと同じように、自らすっぴんに甘んじることで生じる損失は悉く受け入れないと筋が通りません。

 

その損失とは何か?

 

  • 社会的信用の低下(常識が無くズボラだと思われる)
  • ルックスの低下
  • ヒエラルキーの低下
  • 異性獲得競争時のハンディキャップ
  • 総じて他者評価の低下

 

とは言え、これを許容できる人はそう多くないでしょう。だから現状として化粧派が多数を占めているわけです。

 

 

化粧論争は内ゲバ

化粧論争は内ゲバ

 

ゲーム理論的な話として、化粧から降りた女性が損をする以上、公平さを保ったまま社会から化粧を取り除きたくば "いっせーのせ / いっせーので" で一斉にやめる必要があるのですが、今度は抜け駆けして化粧をする裏切りに莫大なアドが生まれてしまうため、得をしたい女性らは頑として化粧をし続けるので、結局他の女性も同様、自発的に化粧をし続けるんですよね。

 

分かる方は分かるかと思いますが、実は女性の化粧のメカニズムはかの有名な "囚人のジレンマ" で説明可能なもので、つまり協力しない人が得をする限りは誰も協力しないんですよ。なぜなら自分は損をしたくない(優位に立ちたい)から。

 

 

出典:Ore Chang (現在凍結済みのアカウント)

 

女性の中には、例えば校則を破ってまで化粧を施す人がいるわけで、それほどまでに化粧を高く評価しているんですよね。すべては己のジョイとカワイイのために。

 

 

化粧バッシング女性の願いを叶える───化粧を社会のスタンダードから外すためには、社会全体で化粧を無意味なフェイスペインティングと見做す必要があります。化粧を冷笑してスティグマとしなければならない。しかしながら

 

  • 女性の人間価値比重が(男性と比較して)年齢とルックスに偏っている
  • 人は意識に依らず他人の評価を外見に左右される*1。本能的に優生的ルッキズムから脱却できない
  • 化粧がルックスを底上げする

 

この3要素が存在する───とりわけ女性が化粧で優位に立てる限り、女性は化粧から逃れられないというのが世界の現実です。

 

 

ところで冒頭でも述べたように、女性が化粧をやめられないのは男尊女卑社会における男性からの抑圧などではなく、外ならぬ女性ら自身の問題なわけで、内ゲバを恐れるあまり本質から目を逸らして某リベラルのごとく異性の責任にするのをやめてくださいまし。

 

くまクッキング氏の胸広告の件にしても、一部の女性は『男性がそうさせている』と激昂していますが、彼女を始めとする胸Tuberは化粧と同様に自分の武器となるものを最大限生かして主体的にマネタイズしているに過ぎないので、結局これだってただの内ゲバなんですよね。

 

胸の大きさで爆アドを得る女性の存在という不快な認知の矛先が、その需要を生み出す男性へと向かっています。本当はその人を叩きたいくせに、同性を叩くのは適応度が低いから異性を叩く。これも進化心理学です。

 

だからまぁ、もし化粧が世の中の特権的行為になったと仮定した場合、化粧ができない女性は化粧で得をしている女性ではなく、化粧をしている女性を褒めそやす男性側を叩くでしょうね。

 

 

化粧しないと外に出られない女性もいる

ソース出すの面倒くさいので見聞風に話します。

 

男性が筋トレをするとホルモンが分泌されて自信が付くように、女性は化粧をすると自信が増す効果があって、この自信のベールを纏わないと外に出られない不安症の女性が世の中には存在するらしいんですね。要するに、化粧をしていない己のルックスへの自信欠如から、すっぴんではとても外に出られないと。

 

化粧は読んで字のごとく "化ける" というニュアンスを持っているわけですが、コンプレックスを隠したりルックスを底上げできる化粧というのは、少なくともこうした女性の役に立っています。

 

そもそもの話、SNSで化粧を嫌がっているような素振りを見せる女性は、本当に化粧を嫌がっているかと私は疑問に思っていて、仮に化粧無しがスタンダードになった社会における女性はすっぴんで外を出歩くことになるわけですが、自撮り写真で自己の願望と実態を乖離させてしまうほど容姿と他者評価を気にする───ルックス至上主義を内面化させたジェンダーが、あまつさえすっぴんで外を平然と出歩くとは到底思えないんですよね。(個人の意見です個人の意見です個人の意見です個人の意見です個人の意見です個人の意見です個人の意見です個人の意見です)

 

化粧なんて消えちまえと息巻いている女性は、はたしてすっぴんで外を出歩いてくれるのでしょうか。 結局他者評価を気にして化粧し始める予感しかない。それが我々サピエンスのサガというもの。

 

化粧をしない欧米女性がいる理由

出羽守はしばしば次のように述べます。

 

『海外の女性は化粧をしない。日本はおかしい』と。

 

なぜ海外の女性は化粧が必須ではないか、それはズバり───

 

(手記はここで途切れている)

 

 

男のためにやってるんじゃない

これは、ミニスカートを穿きつつ『お前らに見せるために穿いているんじゃない』と述べる女性の心理と同じです。女性のおしゃれ全般に見られる反応ですね。

 

  • 脱毛
  • 香水
  • ネイル
  • ダイエット
  • アクセサリー

 

総じて男のためにやってるんじゃない反応。ブラヴォー。

 

女性が肌を露出したり化粧を施すのは、進化心理学的に見て異性獲得競争を優位に進めるためのものである一方、お気に召さないあぶれオスの衆目まで集める気は無いという "負の性欲" 的な深層心理も働いているため、自然と『男のためにやってるんじゃない』という物言いになります。

 

きっと本人も表層意識では男に頓着してかような行為に及んでいるつもりなどないのでしょうが、ただ少なくともそうさせる遺伝子的要因は、異性の関心を集めて生殖するためにあります。単に無自覚なだけなんですよ。男性が豊満な乳房を好む理由(より良い生殖のため)に無自覚なのと同じで、生殖に有利だからと自認しつつ巨乳を追いかける男性などいません。

 

至近要因:テンションを上げたり自信や幸福感を得るために着飾る。当然オスのためだとは思っていない

究極要因:生殖するためにオスの性的関心を集める。そのための美の研鑽

 

 

化粧がビジネスマナーである理由

『化粧させるなら賃金(対価)を払え』とまで言われるほど、企業および社会が化粧を強いるような風潮があると聞きます。内職はともかく接客業では必須でしょうね。

 

ではなぜ企業は女性に化粧させたがるのかと言えば

 

  • ドレスコードの一環
  • ルックスを活かして客の心証を向上させるため

 

理由はこの2つです。

 

企業というのは、受付をはじめとする接客役に女性を登用したがります。その理由として、女性は相手に警戒心を与えにくく、顧客の心理的障壁を下げやすいというメリットがあるため、人間の機微を考えるならルックスに優れた女性を登用するのが自然な流れなわけで、つまり客寄せをするなら化粧バッチリで美人な人を接客役にした方が企業は儲かるわけですよ。

 

これと同じように、女性の眼鏡を禁ずる職場がある理由はルックスが低下するからです。あと眼鏡の女性は性格がキツい印象を与えてしまう。

 

こうしたやり口は昨今のポリコレ的に正しくないとは言え、世の中は実際そうなっています。なにしろそれが合理的だから。

 

企業の看板(アイキャッチ)となる女性に美人ばかり擁立する背景にはこうした理由があり、企業は意図してそのようにしています。そっちの方が客が喜ぶからです。

 

したがって、企業にとっては化粧をバッチリ決められる女性の方が資産価値が高く、また化粧が規範化された現社会において化粧をボイコットしたがる女性は社会適応度が低いため、企業はそういうスタンスの人材を避けたいのです。

 

例えば、就活でみんな化粧をしているのにもかかわらず、一人だけすっぴんで来たら落としますよね。そんな我の強い人材など、クリエイティブ職以外で使いたいはずはない。それに客だって、受付嬢がすっぴんだったら内心で(大丈夫かこの会社...)と疑問に思われてしまいます。

 

企業が化粧をしない女性を雇用したくないからこそ、化粧はビジネスマナーとして一般化されているのです。

 

みんなやっていることは規範化する

例えば冠婚葬祭のように、古くから続けてきたことは形骸化し、いつしか規範となります。

 

  • 葬式に出ない人は常識がない
  • 結婚式に祝儀を出さない人は常識がない
  • ドレスコードを守れない人は常識がない
  • 儀式の正しい作法を知らない人は常識がない

 

化粧もこれと似たようなもので、代々行われてきた文化───つまり常識として人々の中に染み付いているからこそ、今も変わらずマナーとして要求されているわけで、何らかの転機が訪れない限りは、今後も世間人たり得るために続けなければなりません。

 

 

化粧の抑圧は弱まっても無くなりはしない

新しい価値観などと称した個々に心地よい人権が強烈にプッシュされる昨今、近いうちにポリコレ的文脈で "化粧をしない自由" を推し進めるリベラルが現れるでしょう。そして社会の化粧規範は少しだけ弱まります。

 

とは言え、繰り返すように女性が化粧で社会競争を優位に進められる以上、この社会から化粧が無くなることは絶対にありません。

 

私は以下を断言します。たとえ化粧が憲法や法律違反の域に達したとしても、そのディストピア下でさえ化粧をして周囲を出し抜こうとする人が出てきます。

 

なにせ化粧でルックスを一段上げられるわけですから、美意識が強い人はやりたくてしょうがないんですよ。

 

 

求められるは

簡潔に言ってしまえば、今の社会に求められるのは

 

  • 化粧をしない自由
  • 男性の化粧を容認(化粧のユニセックス化)
  • すっぴんを常識外れと見做す不文律の打破

 

この3つでしょうか。これらの達成によって生きやすくなる人が増えると思います。

 

ただ、ルッキズムのメカニズムと同じように、本能的な部分に起因している以上はどうしようもない面もありますから、化粧をしないことで受ける低評価は甘んじて受け入れましょうとか言えません。それに異論を投げるのなら、こんなものはただのワガママでしかない。『化粧をしない私を化粧をしている私と同じく評価しろ』は通らない。だって化粧しない方が事実としてルックスに劣るんだから。

 

別にバカにしている言っているわけではなく、坊主やお坊ちゃんヘアの男性がバーバー系と比較して圧倒的にダサいと思われるように、ルックスが相対的に劣る以上はその分だけ低く評価されて当たり前なんですよ。

 

 

最後にひとつ。昨今のポリコレを考慮すると、『すっぴんの女性の方を(化粧している女性以上に)高く評価しろ』という恐ろしいムーブメントが近々巻き起こる気がしていまして、脱コルセット同様、化粧をしている女性がやり玉に挙げられる可能性が無きにしも非ずといったところです。 

 

特に最近は、ジェンダーロールから降りたい脱コル集団が

 

横田昇平氏の『ヤクブーツはやめろ!』のごとく『美容をやめろ💢』

 

とバッシングしている節があるので、その火の手は徐々に広まっていくと思いますし、いずれはスカートや長髪や香水やスキンケアや脱毛やダイエットやハイヒールが叩かれ始める上に、"ありのままのお前でいい論(だから努力するな)" が噴出するのも時間の問題だと捉えています。

 

昨今の巨乳叩きや乳房縮小術の押し付けは、今後先鋭化するであろう脱コルの序章に過ぎません。

 

*1:化粧をした女性はしていない女性に比べて優秀と思われやすいという海外の研究データもある