"無能な味方は最大の敵" が実例で示された【ストライサンド効果】

 

悪人がいくら害悪を及ぼすからといっても、善人の及ぼす害悪にまさる害悪はない。

 

───フリードリヒ・ニーチェ 『ツァラトゥストラはかく語りき』


おしゃべりや軽はずみな言動が祟って機密情報を漏らしてしまうコミックのお調子者のように、悪意無しに好意で状況を悪化させる人って面白いですよね。フィクションなら笑えるのですが。そう、フィクションなら...。

 

 

さて、あまり具体的に言うと道義的に良くないのでボカしますが、数日前にある人のいかがわしい一面が発見されたことで話題になりました。

 

で、その人は知名度こそあるものの、所詮はパンケーキやタピオカのような一過性の存在であり、数ある有名人の一人に過ぎないので、件の一面の発見当時は一部界隈の人しか知りない情報でした。あくまでもネットの片隅で賑わう程度のニッチな情報だったわけです。

 

ところが、ここで苦しくも登場してしまうのが無能な味方。大半はファンや囲いです。彼ら彼女らが何をしたかと言えば、SNS上にて

 

  • 『〇〇さんの▲▲を流すの本当に許せない! 拡散希望』
  • 『#私は〇〇さんについて拡散している人を許さない』
  • 『〇〇さん負けないで!』

 

などとクソデカい声で騒ぎ立て、しかも恐ろしいことにRT拡散を煽り、一時的なトレンドインまで達成してしまうものだから、事情を知らない多くの無関係者にまで声が届いてしまい、

 

『...ん? 何の騒ぎだろう。(トピックに目を通す)...なるほど! フォロワーにも教えよう!』

 

と、本人を守るつもりが情報拡散セカンドレイプを為すという寓話になりました。

 

しかも、本人は認めていないのにもかかわらず、動画が本人である前提でファンが話を進めており、ファン自身が拡声器の役割を果たしつつ逃げ道を塞ぐという皮肉な結果に。こんなものは、いたずらに火に薪をくべただけの悪手です。

 

公衆の面前で『見るな! 広めるな! 許せない!』などとスピーチしてたら、何事かと野次馬が集まってくるに決まってるだろうが。むしろ自分が宣伝していることに気が付いていないのだろうか。

 

いくらファン層がアレとは言え、絵に描いたようなやらかしぶりに涙が止まらなかった。著しい想像力の欠如。それとも擁護風批判よろしく、善意を装った内部破壊工作なのだろうか。なにしろ擁護が稚拙過ぎて逆に悪意を疑ってしまうし、おそらく擁護の一部には愉快犯もいるのでしょう。『味方のフリして蹴落とすのキモチェェ~~~!!!』

 

いずれにしても、『許せない』とか『広めないで』とか情に訴えて騒ぎ立てるくらいなら、最初から事態が鎮静化するまで見守っているか、あるいは本人が認めてないスタンスを支持する形で『アレは本人ではありません! なぜなら~』とシラを切る方向に持って行った方が良いと思うんですがね。某図鑑の人もそれで逃げ切った(?)わけだし。たまげなければセーフ。

 

結果的には、善意で守ろうとするファンが最も本人の退路を断つという皮肉な有様だったし、"真に恐れるべきは有能な敵ではなく無能な味方である" ─── ナポレオンの箴言が心に沁みるようだ。今回のファンは場をかき乱すだけの無能な味方だった。

 

さらに言わせてもらえば、今回の彼ら彼女らは "地獄への道は善意で舗装されている" という西欧の諺の実例まで示してくれた。

 

このことわざの一般的な解釈は、「悪事または悪意は、善意によって隠されているものだ」、というものである。あるいは「善意でなされた行為であったとしても、その実行により意図せざる結果が招かれる」、というものである。

 

簡単な例でいえば、コイに代表される外来種の導入が、導入当初には予期できなかった繁殖と行動から後に迷惑行為となった、環境を守ろうとして行った行為が、かえって環境を破壊していた、などである。 

 

 引用:地獄への道は善意で舗装されている - Wikipedia

 

正しい選択の積み重ねが時に大きな悲劇だって生む。そういった意味でも、 ”地獄への道は善意で敷き詰められている”のだろう。

 

人はよかれと思い…地獄への道を歩いていく…

 

引用:素晴らしき日々 ~不連続存在~ 間宮皆守

 

 

隠すほど掘り返される -ストライサンド効果-

隠すほど掘り返される -ストライサンド効果-

 

また、今回の件は "ストライサンド効果" という聞きなれない現象の実例でもあったのですが、このストライサンド効果とは、

 

ある情報を隠蔽したり除去しようとしたりする努力が、かえってその情報を広い範囲に拡散させてしまう

 

...という、21世紀の情報社会ならではのミームを指します。

 

例えば、炎上した人が証拠を削除したのに魚拓およびそのスクショを撮られて回されたり、火消しで削除されている流出動画が延々とコピー&アップロードされ続けたりといったもので、隠そうとすればするほど他人は何事かと興味を抱き、暴き、そして共有してしまいます。『見るな』と言われるほど見たくなるカリギュラ効果の側面もあるでしょうね。

 

今回の件で言えば、『広めないで! 見ないで! 関わらないで!』と言って大胆な擁護および隠ぺいをはかったファンが余計に騒動を広めてしまった上に、例のそれが事務所の圧力で削除されればされるほど、逆にインターネット上に増えてしまいました。

 

思えば、数年前の某アイドルのハレンチ騒動の当時にも、同様の光景が見られた記憶があります。こういうのは消すと増えるんだよ。

 

それまで誰にも気づかれていなかったが、その事実を知る利害関係者などが隠蔽や除去を試みた結果、「ここに知られたくない秘密がありますよ」と逆に広く宣伝してしまうことになる。

 

このような試みにより、元情報を一つ削除できたとしても、インターネット上の検索サイトのキャッシュなどに至るまで、多くの痕跡を完全に削除することは困難であるから、面白半分の人間や興味を持った人間、利害関係者などがそれを探し当ててそのコピーが再び拡散することにつながるため、「消すと増える」とも言われる。

 

引用:ストライサンド効果 - Wikipedia

 

下手な火消しは往々にして裏目に出るという教訓ですね。

 

そして考えようによっては、このストライサンド効果を意図して利用することもできるわけですが、そこまでできる人はかなりの策士でしょう。炎上商法の一段上です。我こそはという方は是非やってみてください。他人の言動や行動を額面通りにしか受け取れないIQ65程度の私にはできません。むしろ引っかかる側です。

 

 

以上、お粗末でニヒルでしたがそんな感じです。2000文字に届いたので終わります。(最低限のSEOは欠かさない)