プロのアニメ声優が現れたりなど高質化を続ける同人音声業界

プロのアニメ声優が現れたりなど高質化を続ける同人音声業界

 

"同人" と称されるだけあって、以前まではサブの食い扶持=副業や創作趣味の(プロとの対比としての)素人しか存在しなかった同人音声業界ですが、ここ最近に至ってはアニメ出演の有名プロ声優が参入し始めたり、VTuberやASMR系YouTuberが参入し始めたり、またそれらをプロデュースする企業が現れたりと、以前と比較して様変わりしたように思います。

 

正直なところ、商業プロの名前を見かけるようになった最近に至っては、もう同人とは呼びにくい感ありけり。同人の枠を超えかけています。

 

最近では同人音声の知名度も徐々に上がっていますし、『同人音声って何?』という反応を見せる人も(オタクの中では)少なくなってきたと思います。もっとも、健全な一般人は絶対知らないでしょうが。

 

ウェイウェイチョリースパリピが知ってたらそれはそれで怖い。

 

 

同人音声 is 何?

同人音声

 

これを知らずにこのページへ訪れている人などいないと思うものの、一応触れておきます。

 

同人音声とは簡単に言えばボイスドラマのことで、例えばYouTubeにあるような耳かき音や添い寝(whisper)が、台本・役ありきで演じられるもののことを指し、それにパッケージングを施したものが有料販売されています。同人音声は一作品あたり1時間~5時間で収録されているものがオーソドックスで、価格は概ね1,000円前後です。(有名声優起用はたいてい高い)

 

主な販売プラットフォームは【DLsite】というECサイト、または旧DMMアダルトである【FANZA】の方でもR-18コンテンツが販売されていて、中にはBOOTHで個人販売している人もいます。

 

メインはR-18 

ぶっちゃけて言えば、同人音声はもっぱらR-18の方が市場のメインコンテンツになっており、全体の売り上げやリリース数を見てもR-18の方に偏っています。

 

それもそのはず、無難にASMRを楽しみたいなら、お金を出さなくともとりあえずはYouTubeに近しいものがたくさんありますから、全年齢版ASMRは(よほど上手く作らない限りは)売れにくく、したがって作り手が少ないのです。

 

実際、全年齢版では、ネームバリューのある声優を起用した作品しかヒットしていないように見受けられます。

 

そうした背景があるからこそ、無料で嗜むことのできないアダルトASMRがメインになっている節がありますし、そもそもASMRはその性質上、ポルノと親和性が高く、R-18 ASMRの方に人気が偏るのはある種当たり前のことだったりします。

 

実際、YouTubeのASMRも、R-12~15くらいのちょいエロ路線で売っている人が多かった印象ですが、ただ最近はYouTubeの締め付けが強まっているため、性的なものを掻き立てるASMRは存在を許されなくなっていますし、中国に至ってはASMRそのものを性的なコンテンツと見做して規制してしまいました。

 

先ほど『ASMRはポルノと親和性が高い』と述べた通り、聴覚による性的なシグナリングの容易さ故に、ASMRを用いた遠回しなポルノによる再生数稼ぎが乱立してしまった過去があります。

 

いずれにしても、YouTubeでの安易なエロASMRで視聴者を釣る手法はこの先通用しないでしょう。おそらくですが、今現在微エロASMRをやっている人は、遠からぬうちに潰されると思います。...ってなんでこんな話してんだろ。

 

 

同人音声に出演している有名人例

門外漢な人を想定して前置きが長くなりました。ごめんなさい。

 

具体的な名前が見たくて来た人が多いと思うので、さっそく見ていきます。

 

【全年齢版出演】

※あくまで一部です

※敬称略

 

  • 茅野愛衣
  • 上坂すみれ
  • 竹達彩奈
  • 豊田萌絵
  • 佐藤聡美
  • 加藤英美里
  • 阿澄佳奈
  • 丹下桜
  • 原田ひとみ
  • 下屋則子
  • 井上喜久子
  • 高森奈津美
  • 立花理香
  • 日高里菜
  • 日髙のり子
  • 高野麻里佳
  • 石原夏織
  • 植田佳奈
  • 金元寿子
  • 高槻かなこ
  • みやぢ(YouTuber)
  • 高倉むき(YouTuber)
  • 利香(YouTuber)
  • てんちむ(タレント)
  • かわしまりの
  • あじ秋刀魚
  • 秋野花
  • 歩サラ
  • 花澤さくら
  • 藤咲ウサ

 

【R-18版】

※商業アダルトゲーム声優と一般声優の裏名義が混ざっています

 

  • 杏子御津
  • 桃山いおん
  • 青葉りんご
  • 榊原ゆい
  • 御苑生メイ
  • まきいづみ
  • 木村あやか
  • 遠野そよぎ
  • 佐倉江美
  • 水野七海
  • 奏雨
  • くすはらゆい
  • そよかぜみらい
  • 澤田なつ
  • 風音
  • 花園めい
  • 北見六花
  • 民安ともえ
  • 手塚りょうこ
  • 野中みかん
  • 某大手VTuber事務所Aのライバー
  • 某大手VTuber事務所Bのライバー
  • 某下ネタVTuber

 

ザッとこんな感じにまります。Fateやプリコネに出てる人がいますね。

 

コロナの影響で流れてきた説

一説では、同人音声界にプロ声優が現れ始めた理由として、『COVID-19の影響で仕事が減少し、やむなく出演しているのではないか』と囁かれていますが、コロナ禍の以前より同人音声に出演されている方は多数おられますので、(言い方は良くないですが)妥協して出ているという線は低いと思います。ただ単に、偶然にも勘ぐられそうなタイミングだったというだけの話かと。

 

ただし、商業アダルト声優に関しては、現在の商業アダルトゲーム業界がコロナ抜きで考えても軒並み衰退している側面があるため、仕事のプラットフォームの鞍替えを検討しているという線も否めないでしょうし、今後の市場如何によっては大きくスイッチする可能性もあり得ます。

 

アダルトゲーム業界が幕引いた日には、そこで働いていた声優さんは同人音声や同人ゲームをメインに出演するか、あるいは引退やジョブチェンジを余儀なくされるでしょう。

 

 

徐々にレベルが上がっている同人音声業界

日の浅かった同人音声業界が年を重ねるに連れ、

 

  • 収録マイクの高品質化
  • スタジオ収録の拡大
  • 収録や編集のノウハウが蓄積
  • バリューの高い大手サークルの醸成
  • 声優数およびベテランの増加
  • 商業プロ声優の参入
  • 企業が事務所を携え音声制作に参入
  • カスタマーの増加

 

これらを主な要因として、現在の同人音声は旧来のものと比べてもかなり高品質化しており、それに伴い資本主義らしく競争も激しくなっています。

 

例えば、以前ならパッケージイラストがお世辞にも上手いとは言えない作品も少なくありませんでしたが、今はフォロワー数万~数十万の有名イラストレーターに本格的な制作を依頼していたり、機材面ではノイマンKU100という100万円の超高性能マイクで収録していたり、効果音や環境音を実際の環境で収録したり、経験のある脚本家がシナリオを書いていたり、演技力の高い人が増加したりと(声優が増加したため下手な人は生き残れない)、同人というライトなイメージのわりにはかなり本格化しています。最近は同人誌もハイレベル化していますが、同人音声もそれに比肩するレベルです。

 

ともかくそのように本格化しているため、同人音声一本あたりの制作費もかなり上昇していると推測でき、それにつられて価格相場が上昇していくと思うと正直手放しで喜べませんが、徐々に高品質化していくという点ではユーザーとして有難い話ですね。

 

ここでひとつ憂慮するとすれば、競争激化とユーザーの奪い合いによって製作費と収益の採算が取れなくなってしまった場合、同人音声製作は大手でもない限り大幅な赤字前提となり、もはやビジネスとして成り立たなくなってしまい、言葉通りの趣味としての同人活動に成り下がってしまいかねません。さすれば金持ちの道楽も同然です。

 

とは言え、趣味で興じる同人誌制作が赤字だらけであることを鑑みた場合、本来的にそれと同列な同人音声が赤字に終始することは、考えてもみればごく自然な話だったりします。

 

同人は商業と区別されるように、本来的にお金を儲けるためのものではありませんから。

 

 

同人音声業界はこれからも成長していく

同人音声はASMRとともに、これからもシェアを拡大していく*1と思いますし、以降はより洗練されたものになっていくでしょう。

 

いやそれどころか、下手をすれば近々 "同人" を超越し、れっきとした商業になる可能性が無きにしも非ずといったところ。何せプロ声優や企業が参入するくらいですからね。ひょっとするとそのうち演者も制作者も専業プロで埋め尽くされ、アマチュアが淘汰されてしまう可能性も無きにしも非ずといったところ。

 

その市場の拡大に伴い、いつぞやのVTuber黎明期のように、そのうちタレント事務所が乱立するのではないかと思ってしまうほどですし、そもそも今現在フリーランスだらけの界隈に、まとめ役としての事務所が皆無なのも少し不思議な感覚を覚えます。これって普通なんですかね。まぁでも同人誌界隈に事務所が無いことを考えれば普通なのか。

 

さて、まとまりもオチもない杜撰な内容でしたが、今後の発展に期待しつつ、以上で終いにしたいと思います。

 

*1:販売サイトの総収益や登録者数は年々順調に増加している