過去の自分とその同類は今の敵。だから倒す

過去の自分とその同類は今の敵。だから倒す

 

男性フェミニストの中には、異性への性犯罪や暴力・抑圧などの加害経験を持つ人が一定数いる。その手の旺盛な加害者が、あるタイミングで精神的に成長した際、自らの過去の行いに罪悪感を覚えた結果、過去に加害していた対象を一転して擁護する立場に回ったりする。つまりは贖罪的な何かだ。そして、過去の自分と同じような加害者を批判するケースを見かける。まるで過去の自分を責めるかのように。

 

その実例はいくつもあるが、訴えられかねないから具体的な個人名はここでは挙げない。*1だが少なくとも、ナンパ師やレイパーやミソジニーや素人ビデオポルノ生産者といった加害者の手合いが、30や40あたりのタイミングでフェミニストや人権屋に転身した例はいくつも確認されているし、異性をモノ扱いしていた色男が一転して慈悲的なジェントルマンしぐさを見せることもある。

 

また、フェミニストとして女性の味方をしつつ迎合して、その実、内心では舌なめずりというか媚びてパコ狙いしているのもいる。いずれにしても、男性フェミニストの動機は様々だ。

 

 

それで、過去の自分批判という主題をそのまま継続するが、最近あるライターが "リアリスト" や "冷笑系" といった層を規定して俯瞰したり、Twitterにありがちなイラスト人形遊びで矮小化を試みている光景を目撃して気付いたことがある。その冷笑系やリアリストという雑な括りこそ、そのまんま過去の当人の姿であり、つまり彼は過去の自分を含めて批判していたように見える。まさしく贖い。さっきの男性フェミの話と同じだ。

 

そんな具合だから、私と同じ感想を抱いていた人は何人もいたらしく、『いやお前どの口で言ってんだ』と多数突っ込まれていた。お前こそがリアリスト気取りであり、何も信じない教であり冷笑系の総本山だっただろうが、と。なに自分は関係ありませんみたいな態度決め込んでんだ、と。

 

だが今の彼は、いわゆるエシカル系に片足を突っ込んでおり、つまり冷笑系やレイシストとは対極に位置する存在。彼は経験や加齢により変化して改めたらしい。そして過去の自分サイドが敵になったからこそ批判し始めた。誰よりも事細かく批判し始めた。*2

 

『なぜそんなに敵に詳しいんだ?』

『俺が "それ" だったからさ。俺は気持ちを改めた。だから昔の同類は今の敵。やつらの考え方と弱点はよく知っているとも』

 

なるほど、自分が過去そこにいたからこそ詳しく語って批判することもでき、また批判するに足る理由もあると。自分がミイラを取っていたからこそ、ミイラ取りのことは害悪性も含めて誰よりも詳しく、また効果的な責め方も理解している。同業者が敵に回るとさぞ面倒くさいだろう。フィクションにありがちな悪党を狩る元悪党みたい。

 

 

お前が言うなと突っ込みたくなる発言をする人の中には、贖罪や自己嫌悪を動機としているものがあるかもしれない、という結論で終わりにしたい。

  

*1:参考検索ワード例:『男性フェミニスト 性犯罪』

*2:彼は『自分の過去の罪を参照して分析している』と、最近になってそのように自己言及していた